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背骨の前方が潰れてしまうこと よくある受傷機転は、転倒によるものです。 特に、しりもちをつくように転倒することで、背骨に縦方向の力が加わることで骨が潰れてしまうのです。 よく勘違いされていることとして、圧迫骨折というのは、背骨全部が潰れてしまっていると思ってしまうことがありますが、そうではありません。 脊椎骨折の分類 脊椎の骨折による分類には、three column theoryというものが役に立ちます。 これは、脊椎を前方支柱(anterior column)、中央支柱(middle column)、後方支柱(posterior column)に分けて考える方法です。 これを基に説明すると、脊椎骨折は 脊椎圧迫骨折と 脊椎破裂骨折に分けられます。 脊椎圧迫骨折:前方支柱が潰れる。 脊椎破裂骨折:前方支柱だけでなく中央支柱までも潰れる。 脊椎破裂骨折は脊椎圧迫骨折に比べて不安定な骨折であり、神経症状を引き起こすことがあります。 なぜなら、脊椎破裂骨折で損傷を受ける中央支柱のすぐ後方には脊柱管が存在しており、脊髄へ影響が出やすいからです。 一方、脊椎圧迫骨折は主に前方支柱のみが潰れるために、安定型となります。 前方が潰れるために、楔状に変形することが多いです。 知っておくべき遅発性脊髄神経麻痺について 先ほど述べたように、神経症状が起きる可能性があるものとして特に注意が必要なのは脊椎破裂骨折です。 しかし、脊椎圧迫骨折でも神経症が絶対に出ないわけではありません。 圧迫骨折後に、潰れた椎体の後ろの部分がじわじわと後方に突出することによって、脊髄神経を圧迫刺激することがあります。 これを遅発性脊髄神経麻痺といいます その際には、お尻から下肢にかけてのしびれ感や痛みや、下肢の筋力低下、排尿障害などが生じることがありますので注意が必要です。 圧迫骨折が起きやすい部位 脊椎圧迫骨折の好発部位は、T12(12番目の胸椎)からL1(1番目の腰椎)という、いわゆる胸腰椎移行部が最も多い傾向にあります。 なぜこの部分で圧迫骨折が多いかについて考えてみましょう。 それには、その周囲の解剖学的特徴が重要です。 それを以下に列挙します。 胸椎は、前方に胸骨・肋骨が存在することで、胸郭による骨での支持があります。 腰椎の前方には骨による支持はありません。 しかし、腹横筋を中心とする腹筋群や、後方の多裂筋といった固定筋が働くことで、それを補う構造となっています。 胸椎は回旋可動域に優れていますが、腰椎は回旋可動域に乏しい形状にあります。 これらのことから、胸腰椎移行部では、胸椎と腰椎という2つの機能・構造の違いによる力学的ストレスが加わりやすいと言えます。 また、体幹筋力が低下することで、その負荷は増大する傾向にあるでしょう。 加齢により体幹筋力低下が起きることは、脊椎圧迫骨折が起きやすくなる一つの要因と言えそうです。 それに加え、次に述べる骨粗鬆症による影響がさらに大きな要因となります。 骨粗鬆症による影響 骨粗鬆症の患者さんの約8割が女性と言われています。 その理由は、女性が閉経後に女性ホルモン分泌量が低下することで、急激に骨密度が低下していくるからです。 女性ホルモンの一つであるエストロゲンは骨代謝に深くかかわっており、骨吸収を抑える働きがあります。 これは、脊椎圧迫骨折が女性に多い理由の裏付けとなっています。 また、糖尿病や関節リウマチ、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患があると、骨粗鬆症が進行しやすい傾向にあります。 骨粗鬆症の早期発見が鍵 脊椎圧迫骨折を予防するには、骨密度検査が重要です。 骨粗鬆症検診などでは、主にYAMを用います。 YAMとは、Young Adult Mean(若年成人平均値)のことであり、20~44歳の健康成人の骨密度を100%としたときに、現在の自分の骨密度が何%であるかを比較した数値となります。 基準値は80%以上となりますが、これが70%未満の場合は骨粗鬆症の可能性が高いと言えます。 また、低骨量(骨密度がYAMの80%未満、あるいは脊椎 X線像で骨粗鬆化がある場合)が原因で生じた、脆弱性骨折(転倒や、わずかな外力で生じた骨折)があれば、それも骨粗鬆症の診断基準となります。 逆に言ってしまえば、 脊椎圧迫骨折が起きてから初めて骨粗鬆症が分かる方も多くいらっしゃるわけです。 転ばぬ先の杖と言いますか、骨折する前の検査が重要な理由がお分かりいただけるかと思います。 脊椎圧迫骨折の治療 脊椎圧迫骨折の治療における基本は保存療法ですが、場合によっては手術療法が選択されることもあります。 ここでは保存療法についての流れや、リハビリについてご紹介します。 急性期について 急性期では、椎体のさらなる圧潰の予防が重要になります。 受傷してから 2~4週間の間は、骨が癒合する段階にあるので容易に変形します。 痛みも強い時期なので、鎮痛剤などの薬物療法を行いつつコルセットを着用して安静にしておく必要があります。 圧迫骨折は、仮骨形成によって修復されるのに8〜12週かかります。 急性期における理学療法士の役割 急性期においては、骨折部に荷重と離開のストレスを繰り返すことで骨癒合が遷延される可能性があり、さらには偽関節に進む可能性があるので注意が必要です。 そのため理学療法士に対して、圧潰のリスクを理解した上で、必要に応じて動作指導や良肢位を保つ指導を求められることがあります。 特に、寝返り・起き上がり動作では、骨折部にストレスが加わらないように、特に前屈・回旋動作が過度に行われていないかどうかを分析する必要があります。 通常の動きではどの相で負担がかかりやすいかを、前もって理解しておくと良いかもしれません。 脊椎圧迫骨折のリハビリについて ベッドサイドにて 骨折による強い疼痛は1〜2週間ほどで徐々に緩解してきます。 特に高齢者の長期臥床は廃用症候群につながりますので、早期からのベッドサイドの理学療法が必要になります。 患部に負荷がかからないように注意しながら、愛護的に関節可動域訓練などを行います。 離床から退院まで 画像診断にて骨癒合が進んだと判断されれば、患者さんの状態に応じて、コルセット着用下において、動作を伴うリハビリが開始されることになります。 この時期に評価すべき項目は、廃用性症候群による機能低下です。 筋力低下や関節可動域は、安静期間に応じて問題が生じる可能性が高くなります。 それらの廃用による機能障害に対するリハビリと合わせて、ADLの拡大や歩行訓練を行うことになります。 退院後のリハビリ 急性期を過ぎた退院後は、回復期リハビリテーション病棟に移るか、自宅へ帰ることになります。 自宅へ帰った後に、近隣の外来の整形外科へ通うという選択もあるでしょう。 そこでのリハビリでは、状態に応じて医師の許可の元にコルセットを外し、積極的な運動療法を行うことになるでしょう。 ここでは、主に再発予防の意味でのリハビリを行うことになります。 圧迫骨折が一度起きると、上下に隣接する椎体の圧迫骨折リスクが増加すると言われています。 よって、再発予防の運動療法を行うとともに、骨粗鬆症に対する管理を十分に行っていく必要があります。 リハビリのポイント 圧迫骨折のリハビリのポイントは、次の1つだけです。 骨折部への負担を減らすための体作り これに集約されます。 そのため、リハビリにおいては、主に次のことを意識することが重要です。 肩甲帯・胸郭の可動性改善• 股関節の可動性改善と筋力強化• 背筋を中心とした体幹トレーニング これらは、コルセット着用指示が出ている期間は、必ず着用下で行います。 通常は2〜3ヶ月で、痛みがなければ医師の指示によってコルセットは外します。 1:肩甲帯・胸郭の可動性改善 骨折部位への負担として、 回旋ストレスが挙げられます。 前述したように、胸腰椎移行部では回旋ストレスにさらされやすい構造をしています。 そのため、そのストレス軽減を図る必要があるわけです。 その一つとして、肩甲帯周囲~胸郭の可動性の改善が挙げられます。 僧帽筋・肩甲挙筋・菱形筋・前鋸筋・肋間筋など、これらの筋の柔軟性を評価し、必要に応じてストレッチを行っていく必要があります。 運動療法:ストレッチポール 肩甲帯~胸郭の可動域改善には、ストレッチポールが有効です。 ストレッチポールがなければ、クッションなどを胸腰背部に当てて胸郭を広げるようなストレッチをすると良いでしょう。 2:股関節の可動性改善と筋力強化 もう一つ骨折部位への負担として、 屈曲ストレスが挙げられます。 股関節と腰部は、兄弟みたいなものです。 そのため、ヒップ・スパインシンドローム(hip-spine syndrome)という言葉があるくらいです。 圧迫骨折が起きると、ただでさえ脊椎の前方体積が減少するために脊柱は後弯変形を生じやすくなります。 後弯変形は、 屈曲ストレスとして、さらなる椎体の圧迫へとつながります。 それを予防するために重要なのは、まずは腸腰筋の存在でしょう。 腸腰筋は、腰椎の生理的前弯を維持するために必要不可欠な筋肉です。 過度な前弯は良くないですが、圧迫骨折による後弯変形防止のためには、ぜひともトレーニングしておきたい部分です。 運動療法:骨盤傾斜運動 トレーニング方法としては、骨盤傾斜運動がおすすめです。 端坐位を取り、骨盤前後傾中間位から、骨盤を前傾させていきます。 うまくできなければ、補助しても良いかと思います。 3:背筋を中心とした体幹トレーニング 背筋トレーニングといっても、動きを伴うものでなくても結構です。 重要なのは、骨折部である胸腰椎の安定なので、いわゆるアウターマッスルのトレーニングというよりも、 インナーマッスル(最近ではディープマッスルとも言うそうですが)のトレーニングです。 ここで重要なのは、なんといっても多裂筋と腹横筋でしょう。 多裂筋は、腰背部の固定筋として非常に重要です。 それは、筋断面積を見ても分かります。 特に下位腰椎レベルにおける多裂筋の断面積は非常に広くなっています。 これも、脊柱の後弯予防に重要なものでしょう。 特に、圧迫骨折後の患者さんのMRI画像を拝見すると、多裂筋が脂肪変性している様子がよく見られます。 これは普段全然使えていない証拠です。 また、多裂筋だけでなく、腹横筋との協調的な筋収縮は、コルセットの役割を果たすことで、骨折部位のストレスを軽減させます。 そのための方法を2つご紹介します。 そのまま、体幹の伸展が起きない程度まで上肢を挙上させていきます。 ここで重要なのは、多裂筋も腹横筋もインナーマッスルとして固定筋とした働くために、強い負荷は必要ないということです。 強い負荷は、逆にアウターマッスルを働かせてしまうことになるので注意が必要です。 その際には、体幹の屈曲動作が起きていないかに注意する必要があります。

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スポンサーリンク ほいっ、こんにちは。 猛吹雪の中、 場所によってはスケートが出来そうな 新潟県在住の筆者ですよ。 皆さんは宮原知子さんという人を ご存知でしょうか。 宮原さんは、 女子フィギュアスケート選手であります。 しかも過去に開催されている、 世界選手権の方で第2位を獲得したり、 全日本大会では優勝したりも している人でありまして、 有望な将来を持つ、 女子フィギュアスケート選手として 注目されている人であります。 その人の名前が、突然 ニュースサイトの方に出てきた ものですから、何事かと思って 調べてみたところ、 今度開催される四大陸選手権と、 19日に札幌の方で開幕される 冬季アジア大会といった、 二つの国際大会を欠場する事が決定した っていうではないですか。 全日本大会で優勝するくらいの実力を 持っている宮原さんこと宮原選手が、 一体何故にして国際大会欠場を決めたのか。 今回は、この事について、 書いていこうと思います。 宮原知子の欠場原因。 bunshun. その気になる原因ですけれど、 どうも宮原選手は、 左足を怪我してしまっている らしくて、 この怪我の経過が芳しくないために、 この二つの国際大会を欠場する事を 決めたんだそうです。 宮原選手自身は、 きっとこの大会に出場したいと 思っていたと思いますけれど、 フィギュアスケート選手の要である 足を怪我してしまっているのであれば、 どうにもなりません。 足を怪我しているんじゃ、 思うように滑る事も出来ないでしょうし、 怪我がさらに悪化する危険性だってあります。 なので、宮原選手は惜しくも 怪我の治療を優先して、 欠場を決定したのでしょう。 ちょっと残念な話ですけれど、 身体が健康である事が第一ですからね、 治療に専念しなきゃです。 スポンサーリンク 宮原知子の左足の怪我の原因とは。 しかし、そこで気になってくるのは、 宮原選手が何故にして左足を怪我したか という点ですよね。 宮原選手はフィギュアスケート選手、 ランナーほどではありませんけれど、 足を酷使するスポーツ選手です。 なので、足を怪我してしまっても 不思議ではないのですけれど、 足を怪我してしまったら滑れなくなる 事を一番よく理解しているので、 怪我をしてしまうとも思えない。 一体何故、宮原選手は 足を怪我したのか。 実は宮原選手ですけれど、 以前より 左足の股関節の靭帯に 炎症を患っていたみたいなのです。 患った当初からかなりの痛みが あったみたいなのですけれど、 その時には我慢して滑っていた そうです。 しかし、その時の無理が祟ったのか、 それ以降この靭帯の炎症は酷く なっているみたいでありまして、 それが今回のこれに繋がってしまった らしいのですよ。 多分、その時の炎症自体は 治ったんでしょうけれど、 使う部分であるが故に、 再発を繰り返しているのではないか と思います。 使うところの炎症ってよく繰り返します からね、そうなっても不思議ではない。 これはあくまで推測ですけれど、 宮原選手の左足の怪我とは、 左足股関節の靭帯の炎症の再発 であるのはないかと、思います。 復帰はいつになるのか。 そして気になってくるのは、 宮原選手がいつ復帰するかですよね。 宮原選手は来月フィンランドで 開かれる世界選手権の代表に 選抜されているようでありまして、 出場する予定があるようです。 なので、宮原選手はこれに向けて、 今の怪我の治療を急ぐと思いますので、 早ければ3月に復帰するのではないかと 思われます。 しかし、怪我の治りが上手い具合に 進まない可能性もありますので、 その時には復帰は4月頃になるでしょう。 宮原選手は非常に負けず嫌いの人である と言われていますから、 今回の大会に出場できないのは ものすごい悔しいはずです。 なので、3月の国際大会には 復帰してもらいたいところです。 最後に。 宮原選手は18歳でありながら、 既に国際大会に出場するくらいの 強豪ですから、物凄い実力者ですけれど、 それゆえに無理などをして、 怪我をしたりするのかもしれません。 期待されている宮原選手ですけれど、 出来るだけ無理をしない範囲で、 滑ってもらいたいところです。 それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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宮原知子はなぜ強い?浅田真央がもう勝てない理由の真相とは?

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大腿骨骨折が増えている理由 近年、大腿骨骨折の患者数が急速に増え続けています。 日本骨粗鬆症学会によれば、大腿骨頸部骨折の患者数は、1987年当時約5万人ほどだったのに対して、2007年には約15万人まで増加。 20年間でおよそ10万人も患者数が増えました。 なぜこれほど大腿骨を骨折する人が多くなったのでしょうか。 その 最大の要因は、「高齢化の進行」。 「2018年版高齢社会白書」によれば、1985年当時の65歳以上人口は約1,100万人でしたが、2005年には約2,500万人と倍以上に増加。 その後も増え続けており、2017年時点では約3,500万人となっています。 この理由は、加齢とともに骨がもろくなることに加え、バランス感覚が悪くなって転びやすくなるため。 大腿骨骨折の患者は70歳以上が中心となっています。 高齢者人口の増加に比例して、大腿骨骨折の患者数も増えていったわけです。 大腿骨骨折の種類は大きく3つに分けられる 大腿骨の骨折は、大きく分けると3種類あります。 まずは大腿骨の先端部分にある骨頭(こっとう)の下の部分が折れてしまう 「大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)」。 それから、骨頭の少し下の部分、大転子(だいてんし)、小転子(しょうてんし)などの「転子部」と呼ばれる部分が折れる 「大腿骨転子部骨折(だいたいこつてんしぶこっせつ)」。 そして、稀なケースではありますが、転子部よりも下にある「転子下」という場所が折れる 「大腿骨転子下骨折(だいたいこつてんしかこっせつ)」です。 以下では、大腿骨頸部骨折と大腿骨転子下骨折について、詳しくみていきましょう。 大腿骨頚部骨折と大腿骨転子部骨折の違い 大腿骨頚部も大腿骨転子部も脚の付け根にある部位です。 頚部は股関節の内側にあるのに対して骨転子部は外側にあります。 大腿骨頚部には折れた骨をくっつけて治してくれる外骨膜(軟骨を覆う膜)がありません。 そのため、骨折が完全に治らなくなる「偽関節(ぎかんせつ)」になったり、血流が悪くなって壊死したり、骨が潰れた後に骨が内部に陥没する遅発性骨頭陥没になったりする可能性があります。 これが理由で、治療が難しいとされているのです。 一方、大腿骨転子部は血行の良い筋肉組織などに覆われているので骨折しても癒合しやすく、偽関節になることや壊死の可能性は極めて低いとされています。 大腿骨は脚の付け根にあたる骨で、人間が立ちの姿勢を保ち、歩行するうえで重要な骨です。 骨折した場合、基本的には手術を行いますが、 高齢のために、耐えうる十分な体力がなく、手術自体が難しいことも少なくありません。 また、手術が成功して骨がうまく固定されても、そのまま要介護状態になってしまうケースが多いのです。 手術直後は軽度の要介護度でも、その後介護生活を送るなかで心身機能が低下していき、やがて寝たきりになる・・・という場合もあります。 さらに、大腿骨骨折の怖いところは「予後(手術後の症状の見通し)」が悪いこと。 高齢者が手術を受けた後の1年以内の死亡率はなんと約10%にも上るのです。 例えば、手術後に傷口から細菌が入り込み、感染症を発症する場合があります。 肺炎、循環器疾患、精神障害などが多く、死亡原因としては特に肺炎が一番多いと言われています。 大腿骨骨折はただの脚の骨折として片付けられるようなものではなく、高齢者にとっては生命のリスクにもかかわる重大な怪我なのです。 さらに機能予後(手術・病気をした後に、かかわる身体機能が保てるかどうかの予測)の観点から考えると、受傷前は健康面にまったく問題のなかった患者でも、 骨折後半年から1年の間で元の歩行能力を獲得できるのは、全体の約5割程度。 大腿骨骨折の患者の多くが、歩行能力を取り戻すことができないまま、介護が必要な体になってしまうのです。 骨粗しょう症になりやすい女性は特に注意 骨粗しょう症は女性に圧倒的に多い病気として知られ、大腿骨骨折も女性の患者数が多くなっています。 「大腿骨頸部骨折」と「大腿骨転子部骨折」における男女比は一般的に1:4くらいであると言われており、高齢女性は特に注意する必要があります。 これはまれなケースですが、寝たきりで骨が極度にもろくなっている場合、おむつを交換して脚を持っているときに折れることさえあるのです。 特に、脳梗塞や脳出血を患って体に麻痺の後遺症がある方、あるいは視力の悪い方は、つまずいて転倒した際に大腿骨を骨折するケースが多いので、本人はもちろん、同居する家族も注意する必要があります。 自宅をバリアフリー化する、床につまずく原因となるようなものを置かないなど、転倒のリスクを減らす生活環境づくりをすることが大切です。 性別 年齢 1992年 1997年 2002年 2007年 2012年 男性 ~39歳 0. 36 0. 30 0. 30 0. 32 0. 29 40歳~ 1. 03 0. 91 0. 84 0. 92 1. 09 50歳~ 2. 21 2. 00 1. 82 2. 03 2. 23 60歳~ 5. 74 5. 12 5. 26 4. 81 5. 03 70歳~ 19. 13 17. 29 17. 49 18. 12 16. 88 80歳~ 56. 02 57. 41 58. 61 61. 03 60. 81 90歳~ 124. 96 128. 89 141. 39 146. 62 159. 46 女性 ~39歳 0. 16 0. 13 0. 12 0. 15 0. 14 40歳~ 0. 61 0. 60 0. 58 0. 70 0. 73 50歳~ 2. 82 2. 39 2. 41 2. 95 3. 13 60歳~ 9. 69 9. 07 9. 11 8. 11 8. 66 70歳~ 44. 32 40. 85 41. 07 39. 71 36. 71 80歳~ 139. 6 147. 79 156. 10 157. 14 151. 03 90歳~ 264. 66 281. 04 315. 52 313. 58 323. 25 大腿骨は太ももにある太い骨なので、折れにくいイメージがあるかもしれません。 若い世代でも、交通事故などで強い力が加わったときに大腿骨骨折が起こる場合がありますが、発生頻度としてはあまり多くはありません。 しかし、骨密度が低下し、骨がもろくなっている高齢者の場合、 「椅子から立ち上がったときによろけて転倒」「ちょっとした段差につまずいて転倒」といったことで骨折してしまうこともあります。 若い世代だと「こんなところで転ばない」と思われるような場所でも、高齢者の場合は転倒する恐れがあるのです。 具体的な骨折事例としては、• 床に置いてあった新聞の上を歩いたときに滑って転倒した• 布底のスリッパを履いていて、フローリングの床で滑った• カーペットの上に透明なポリ袋が落ちていて、脚を乗せて滑って転倒した など、多岐にわたります。 大きな事故ではなく、日常生活でのささいなことが、大腿骨の骨折につながるわけです。 また、注意すべきだと言われているのが、 家の中にある和室と洋室の間の段差。 たとえ2~3cmの段差であっても、高齢者の場合は転倒のリスクがあります。 このことから言えるのは、骨折の多くが住み慣れた自宅内で起こっているということです。 家の中にこそ危険があると認識して、必要に応じて住宅改修を行うなど、転倒の原因をできるだけ取り除いていく必要があります。 大腿骨を骨折したときの症状 大腿骨を骨折すると、骨折部位を触ったときに激しい痛みが生じます。 さらに患部に腫れが見られるほか、骨がゆがむために、皮膚の表面からも骨の変形が見て取れます。 さらに、両脚で立ったときに両脚の長さに違いがみられる、折れている脚が内側あるいは外側に向いている、といった異常を確認できます。 高齢者の場合、すでに大腿骨が折れていても、家族への遠慮や「大したことはない」という思い込みから、自覚症状をはっきりと訴えないこともあります。 そのようなケースでも、脚を動かすと痛がったり、自立歩行ができなくなったりするなど、客観的に見て異常がはっきりとわかります。 同居する家族は、本人が骨折したと言っていない場合でも、異常が見受けられれば、病院に連れて行くなどの対応が必要です。 大腿骨骨折の検査・治療 大腿骨が折れているかどうかを調べる場合、まずレントゲンによる検査が行われます。 ただし、少し亀裂が入っている程度の状態は、この場合はレントゲンだけでは判断できません。 そのため、状態によってはCT検査やMRI検査などが行われることもあります。 治療方法としては、外科手術が基本です。 骨折の程度や部位にもよりますが、「人口骨頭置換術」「スクリューによる骨の固定」などが行われるケースもあります。 手術の詳しい内容は、後ほど解説します。 手術後は寝たきり予防のために、積極的にリハビリに取り組む必要があります。 ベッドの上で過ごす時間が増えると、認知症や誤嚥性肺炎の発症リスクが高まるので、家族は注意が必要です。 また、 高齢者の場合、片方の大腿骨を骨折すると、もう片方の脚を骨折する危険性が高くなると言われています。 特に骨粗しょう症と診断された方は治療をしっかりと行い、骨折を繰り返さないようにすることが大事です。 大腿骨骨折の手術後に行うリハビリは、通常の下肢骨折のリハビリとして行われるプロセスと同様、以下の流れで進められるのが一般的です。 ベッド上坐位保持訓練• 車椅子への移乗訓練• 立位保持訓練• 平行棒を使った歩行訓練• 歩行器を使った歩行訓練• 松葉杖を使った歩行訓練• T杖歩行訓練 また並行して、骨折した場所に近い関節を動かす訓練や、筋力トレーニングなどが行われます。 ただし、高齢者の場合は松葉杖を使った歩行訓練が難しく、歩行器の訓練後に「手を引いてもらっての歩行訓練」を挟み、T杖歩行訓練へ移行するケースが多いです。 なお、近年は国の方針により、 手術をする病院と手術後にリハビリを行う病院を分けることも多くあります。 「生命予後」と「機能予後」 大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折の予後については、2つの視点から考えます。 1つは 「生命予後」です。 生命予後とは、手術、病気など後の回復の見込みを「生存」という点から考えたもの。 大腿骨骨折後の死亡率は、日本の場合10%以下で欧米よりも良好ですが、 肺炎や精神障害、循環器疾患などの合併症は高い頻度で発症します。 なかでも術後すぐの死亡原因は、肺炎が多いとされています。 もう1つは 「機能予後」です。 機能予後とは、手術、病気などの回復の見込みを「後遺症が残るか」という点から考えたもの。 大腿骨骨折の手術後は翌日から坐位(ざい)訓練を始めるなど、積極的にリハビリを行う必要があります。 その結果、 半数の方が元のように歩けるようになります。 骨粗しょう症を予防するためには、 カルシウムと、カルシウムの吸収を促すビタミンDをとることが重要です。 それぞれ以下のような食材に多く含まれているので、特に高齢者は、普段の食事で積極的に取り入れたいところです。 カルシウム 牛乳や小魚、ヒジキ、小松菜、海藻類など ビタミンD キノコ類、魚、卵など また、骨がある程度丈夫であっても、ひどい転倒をすると大腿骨骨折はどうしても起こってしまいます。 そのため、バランス能力を鍛え、 「転倒しないための筋力」をつけていくことが重要になるわけです。 そのためには、 「日頃からできるだけ歩く」、長く歩けない方は 「何かにつかまった状態で足踏みをする」、手脚を伸ばすなどの 「寝ながらできるトレーニングに取り組む」など、日常生活のなかでできる運動を続けることが大切です。 バランス感覚を高めるには、 「片脚でつかまり立ちをする」などが有効になるでしょう。 こうした運動を、無理なく生活のなかに取り入れていくことが、大腿骨骨折予防につながると考えられています。

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