袴垂、保昌にあふこと 訳。 【現代語訳】猟師、仏を射ること/1分で分かるあらすじ|古典の現代語訳

宇治拾遺物語『袴垂、保昌に会ふこと(袴垂と保昌 )』のわかりやすい現代語訳と解説 / 古文 by 走るメロス

袴垂、保昌にあふこと 訳

あまたたび=副詞、何度も、たびたび あまた(数多)=副詞、たくさん、大勢 つゆばかり=副詞、「つゆばかり」の後に打消語(否定語)を伴って、「まったく~ない・少しも~ない」となる。 ここでは「なし」が打消語 たる=存続の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 気色(けしき)=名詞、様子、状態。 ありさま、態度、そぶり。 このように、何度もあれやこれやとするが、少しもあわてる様子がない。 希有 けう の人 かなと思ひて、十余町 ばかり 具して行く。 かな=詠嘆の終助詞 ばかり=副助詞、(程度)~ほど・ぐらい。 (限定)~だけ。 具し=サ変動詞「具す(ぐす)」の連用形、引き連れる、一緒に行く、伴う。 持っている。 珍しい人であるなあと(袴垂は)思って、十町あまりほど後をつけて行く。 さりとて あら ん や はと思ひて、刀を抜きて走りかかり たる時に、 さりとて(然りとて)=接続詞、そうかといって、だからといって、それにしても ん=意志の助動詞「む」の終止形が音便化したもの、接続は未然形。 ㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文末に来ると「㋜推量・㋑意志・㋕勧誘」のどれかである。 や=反語の係助詞、結びは連体形となる。 係り結び。 は=強調の係助詞。 現代語でもそうだが、疑問文を強調していうと反語となる。 「~か!(いや、そうじゃないだろう。 なので、「~やは・~かは」とあれば反語の可能性が高い。 たる=完了の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 そうかといってこのままでいられようかと思って、刀を抜いて走りかかった時に、 そのたび笛を吹きやみて、立ち返りて、「こは、何者 ぞ。 」と問ふに、心も失せて、我 にもあら で、ついゐ られ ぬ。 ぞ=強調の係助詞、あるいは終助詞 に=断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形 で=打消の接続助詞、接続は未然形。 られ=自発の助動詞「らる」の連用形、接続は未然形。 「る・らる」は「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があり、「自発」の意味になるときはたいてい直前に「心情動詞(思う、笑う、嘆くなど)・知覚動詞(見る・知るなど)」があるので、それが識別のポイントである。 自発:「~せずにはいられない、自然と~される」 ぬ=完了の助動詞「ぬ」の終止形、接続は連用形 その時は笛を吹くのをやめて、振り返って、「お前は何者だ。 」と問うので、(袴垂は)呆然として、正気も失って、膝をついて座ってしまった。 また、「 いかなる者 ぞ。 」と問へ ば、今は逃ぐとも よも逃がさ じと おぼえ けれ ば、 いかなる=ナリ活用の形容動詞「いかなり」の連体形。 よも=副詞、下に打消推量の助動詞「じ」を伴って、「まさか~、よもや~、いくらなんでも~」。 じ=打消推量の助動詞「じ」の終止形、接続は未然形 おぼえ=ヤ行下二段動詞「思ゆ/覚ゆ(おぼゆ)」の連用形。 「ゆ」には受身・自発・可能の意味が含まれており、ここでは「自発」の意味で使われている。 また、「どういう者だ。 」と問うと、今は逃げようともよもや逃がしはするまいと思われたので、 「 引 ひ 剥 は ぎ に 候ふ。 」と言へ ば、「何者ぞ。 「追いはぎでございます。 」と言うと、「何者だ。 」と問うので、 「 字 あざな 、 袴 はかま 垂 だれ と なん言は れ 候ふ。 」と 答ふれ ば、 なん(なむ)=強調の係助詞、結びは連体形となる。 係り結び。 れ=受身の助動詞「る」の連用形、接続は未然形。 「る・らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があるがここは文脈判断。 候ふ=補助動詞ハ行四段「候ふ(さうらふ)」の連体形、丁寧語。 係助詞「なん(なむ)」を受けて連体形となっている。 係り結び。 「通称は、袴垂と言われております。 」と答えると、 「 さ いふ者ありと聞くぞ。 あやふげに、 希有 けう のやつ かな。 」と言ひて、 さ=副詞、そう、その通りに、そのように。 いふ=ハ行四段動詞「言ふ」の連体形 かな=詠嘆の終助詞 「そういう者がいると聞いているぞ。 物騒で、とんでもない奴だなあ。 」と言って、 「ともに まうで来。 」と ばかり言ひかけて、また同じやうに笛吹きて行く。 まうで来(こ)=カ変動詞「参で来・詣で来(まうでく)」の命令形、「来」の謙譲語 ばかり=副助詞、(程度)~ほど・ぐらい。 (限定)~だけ。 「一緒について参れ。 」とだけ声をかけて、また同じように笛を吹いて行く。 この人の けしき、今は逃ぐとも よも逃がさ じと おぼえ けれ ば、 気色(けしき)=名詞、様子、状態。 ありさま、態度、そぶり。 よも=副詞、下に打消推量の助動詞「じ」を伴って、「まさか~、よもや~、いくらなんでも~」。 じ=打消推量の助動詞「じ」の終止形、接続は未然形 おぼえ=ヤ行下二段動詞「思ゆ/覚ゆ(おぼゆ)」の連用形。 「ゆ」には受身・自発・可能の意味が含まれており、ここでは「自発」の意味で使われている。 この人の様子は、今は逃げようともよもや逃がしはするまいと思われたので、 鬼に神取ら れ たるやうにて、ともに行くほどに、家に行き着き ぬ。 れ=受身の助動詞「る」の連用形、接続は未然形。 「る・らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があるがここは文脈判断。 たる=完了の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 ぬ=完了の助動詞「ぬ」の終止形、接続は連用形 鬼に魂を取られたようになって、一緒に行くうちに、家に行き着いた。 いづこぞと思へ ば、摂津前司保昌といふ人 なり けり。 なり=断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 どこかと思うと、摂津の前の国司であった 藤原保昌 ふじわらのやすまさ という人であった。 家のうちに呼び入れて、綿厚き衣一つを 給はりて、「衣の用あら ん時は、 参りて 申せ。 給はり=ラ行四段動詞「給はる・賜はる(たまはる)」の連用形、「与ふ」の尊敬語、お与えになる、くださる。 「受く・貰ふ」の謙譲語、いただく、頂戴する。 ん=仮定の助動詞「む」の連体形が音便化したもの、接続は未然形。 ㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文中に来ると「㋕仮定・㋓婉曲」のどちらかである。 訳: 「(もしも)着物が必要な時は、」 参り=ラ行四段動詞「参る」の連用形、「行く」の謙譲語 申せ=サ行四段動詞「申す」の命令形、「言ふ」の謙譲語 家の中に呼び入れて、綿の厚い着物一着をお与えになって、「着物が必要な時は、(ここに)参って申せ。 心も知ら ざら ん人に取りかかりて、 汝、あやまち す な。 」とあり し こそ、 あさましく、 むくつけく、恐ろしかり しか。 ざら=打消の助動詞「ず」の未然形、接続は未然形 ん=婉曲の助動詞「む」の連体形が音便化したもの、接続は未然形。 この「む」は、㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文中に来ると「㋕仮定・㋓婉曲」のどれかである。 直後に体言があると婉曲になりがち。 訳:「分からない (ような)人」 汝(な・なんぢ・なんじ)=名詞、おまえ す=サ変動詞「す」の終止形、する。 な=禁止の終助詞 し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 こそ=強調の係助詞、結びは已然形となる。 係り結び。 あさましく=シク活用の形容詞「あさまし」の連用形、驚きあきれる、意外でびっくりすることだ。 あまりのことにあきれる。 なさけない。 むくつけく=ク活用の形容詞「むくつけし」の連用形、気味が悪い、不気味だ。 しか=過去の助動詞「き」の已然形、接続は連用形。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 気心も分からないような人に襲いかかって、おまえ、しくじるな。 」とあったのは、驚きあきれ、気味が悪く、恐ろしかった。 「 いみじかり し人のありさま なり。 」と、 捕 と らへ られて後、語り ける。 いみじかり=シク活用の形容詞「いみじ」の連用形、(いい意味でも悪い意味でも)程度がひどい、甚だしい、とても。 し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 なり=断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形 られ=受身の助動詞「らる」の連用形、接続は未然形。 「る・らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があるがここは文脈判断。 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 「とても立派な人の様子であった。 」と、捕らえられた後、(袴垂は)語ったということだ。

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袴垂、保昌に会ふこと(「宇治拾遺物語」) 問題

袴垂、保昌にあふこと 訳

袴垂(はかまだれ)というのは平安時代にいた盗賊の名です。 保昌というのは、藤原保昌という人物で、和泉式部を妻にした人です。 武勇に優れた人物だったそうで、当時の四天王にも数えられているとか。 そんな二人の有名なお話です。 【現代語訳】 昔、袴垂といって非常に名高い盗賊の頭領がいた。 十月頃に、衣腹が必要だったので、衣服を少し手に入れようと思って、 適当な所々で、奪い取る機会を密かに狙ってウロウロしていたところ、 夜中くらいに、人がみなすっかり寝静まった後、月がぼんやりとしている中、 衣服をたくさん着ていた人が、指貫の股立を腰に挟み込んで、絹の狩衣っぽいのを着て、 たった一人笛を吹いてゆったりと練り歩いて行くので、 「ああ、こいつこそ、おれに衣をやろうといって出てきた人であるようだ」と思って、 走りかかって衣服をはぎ取ろうと思うが、 不思議とそら恐ろしく感じられたので、ぴたりと後ろについて二三町ほど行くが、 自分の後ろに人がついていると思っている様子もない。 いよいよ笛を吹いて行くので、試そうと思って、足音を高くして走り寄ったところ、 笛を吹きながら振り返った様子が、かかっていくことができそうにも思えなかったので走って退いた。 このように、何度も何度もあれこれ色々とするが、ほんの少しも騒ぎたてる様子がない。 お話の中ではまだ名前が出て来ていませんが、この笛を吹いている男こそ、藤原保昌です。 さすが四天王ですね。 袴垂が襲いかかろうとしても、隙がまったくなく、逆に袴垂の方がたじろぐばかり。 笛を吹いている時も一流の武人は隙がないのでしょう。 しかし、袴垂も、何度もトライしてみるあたり、なかなか根性があるなと思います。 では最後に原文と語釈を載せます。 【原文】 昔、袴垂とていみじき盗人の大将軍ありけり。 十月ばかりに衣の用ありければ、衣すこしまうけんとて、 さるべき所々うかがひありきけるに、 夜中ばかりに、人みなしづまりはててのち、月の朧なるに、 衣あまた着たりける主の、指貫のそばはさみて、絹の狩衣めきたる着て、 ただひとり笛吹きて、行きもやらず、ねりゆけば、 「あはれ、これこそ、我に衣えさせんとて、出でたる人なめれ」と思ひて、 走りかかりて衣をはがんと思ふに、 あやしく物のおそろしく覚えければ、そひて二三町ばかりいけども、 我に人こそつきたれと思ひたるけしきなし。 いよいよ笛を吹きていけば、こころみんと思ひて、足を高くして走りよりたるに、 笛を吹きながら見かへりたる気色、取りかかるべくもおぼえざりければ走りのきぬ。 かやうにあまたたび、とざまかうざまするに、つゆばかりも騒ぎたる気色なし。 「まうく」は「用意する、準備する」の意味。 「ん」はここでは意志の助動詞だから「用意しよう、準備しよう」ということだが、主語が盗賊の袴垂なので、盗み取る/奪い取る、という手段を取るはず。 「すっかり寝静まって」と訳せば良い。 「そばはさむ」は、股立(ももだち)の部分をつまみ上げて腰に挟み込むこと。 動きやすくなるらしい。 詳しくはの下の方を参照。 それを打ち消しているので、スイスイとは行かない様子。 「ん」は意志の助動詞。 「私に衣を与えよう」ということ。 断定の助動詞「なり」の連体形「なる」が撥音便無表記化したもの。 「めれ」は推定の助動詞「めり」が、係助詞「こそ」の影響で已然形となったもの。 「たび」は回数なので、「何度も何度も」ということ。 [ ].

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宇治拾遺物語『袴垂、保昌に会ふこと(袴垂と保昌 )』のわかりやすい現代語訳と解説 / 古文 by 走るメロス

袴垂、保昌にあふこと 訳

袴垂、保昌に会ふこと(「宇治拾遺物語」) 問題 袴垂、保昌に会ふこと(「宇治拾遺物語」) 問題 昔、袴垂とていみじき盗人の大将軍ありけり。 a 十月ばかりに衣の用ありければ、衣すこしまうけんとて、さるべき所々うかがひありきけるに、夜中ばかりに、人みなしづまりはててのち、月の朧なるに、衣あまた着たりける主の、指貫のそばはさみて、絹の狩衣めきたる着て、ただひとり笛吹きて、 b 行きもやらず、ねりゆけば、「あはれ、これ【 c 】、我に衣えさせんとて、出でたる人なめれ」と思ひて、走りかかりて衣をはがんと思ふに、あやしく物のおそろしく覚えければ、そひて二三町ばかりいけども、我に人こそつきたれと思ひたるけしきなし。 かやうにあまたたび、とざまかうざまするに、つゆばかりも騒ぎたる気色なし。 「希有の人かな」と思ひて、十余町ばかり具して行く。 「さりとてあらんやは」と思ひて、刀を抜きて走りかかりたる時に、そのたび笛を吹きやみて、立ち帰りて、「こは、何者ぞ」ととふに、心も失せて、 d 我にもあらで、ついゐられぬ。 又「いかなる者ぞ」ととへば、「今は逃ぐとも、よも逃がさじ」と覚えければ、「ひはぎに候ふ」といへば、「何者ぞ」ととへば、「あざな袴垂となん言はれ候ふ」と答ふれば、「さいふ者ありと聞くぞ。 あやふげに、希有のやつかな」と言ひて、「ともにまうで来」とばかり言ひかけて、又同じやうに笛吹きて行く。 この人の気色、今は逃ぐともよも逃がさじと覚えければ、鬼に神とられたるやうにて、ともに行く程に、家に行きつきぬ。 いづこぞと思へば、摂津前司保昌といふ人なりけり。 aQ1 家のうちに呼び入れて、綿あつき衣一つを給はりて、「衣の用あらん時は、参りて申せ。 心も知らざらん人にとりかかりて、汝あやまちすな」とありしこそ、あさましくむくつけく恐ろしかりしか。 aQ2 いみじかりし人のありさまなりと、とらへられて後、語りける。 問1 文中で撥音便化していて撥音が表記されていない語はどれか、その本来の形を記して答えなさい。 問2 a 十月の読み(異名)を現代仮名遣いのひらがなで記しなさい b 行きもやらず・d 我にもあらでを口語訳しなさい。 cの空欄に2字の助詞を記しなさい。 advanced Q. 1 aQ1 家のうちに呼び入れて、綿あつき衣一つを給はりて、「衣の用あらん時は、参りて申せ。 心も知らざらん人にとりかかりて、汝あやまちすな」とありしについて、保昌がそうしたのはなぜか説明しなさい。 advanced Q. 2 aQ2 いみじかりし人のありさまなりとは、ここでは具体的にはどういうさまを言うものか、15字程度で記しなさい。

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